『臨床栄養』2005年6月号☆☆☆

2005年10月26日

『特集 炎症性腸疾患と栄養療法』に引かれて購入した。



-特集『炎症性腸疾患と栄養療法』によせて 福田能啓 兵庫医大
アメリカ人の外来患者がエレンタールで調子が良くなり、アメリカでも『免疫を抑制する治療よりは、免疫を刺激しない栄養療法』を希望する患者がいることを知って感激したという話。

-和食の時代の日本にクローン病はなかった 松枝啓 さいがた病院
『食事性抗原』『食事性脂肪』『食事性繊維の摂取量』の諸データから和食は1)低脂肪食でかつ高n-3/n-6比食、2)低たんぱく質食で且つ高植物性たんぱく質・高魚たんぱく質食、そして3)高食物繊維食である特徴を有するがゆえにクローン病の発生を予防していたとのこと。以前から繰り返し書かれていることの焼き直し。

-日本の栄養摂取量の推移とその特徴ー食生活は欧米化したか? 野口球子 北里大学東病院
上の論文とは異なるデータを使い、同じこと、すなわち食生活が西洋化したと言っている。

-炎症性腸疾患の診断と治療 高添正和 社保中
炎症性腸疾患』に収録されていたのとほぼ(全く?)同じ内容。

-食事脂肪から見た炎症性腸疾患の病態と治療 正田良介 国立国際医療センター
食事脂肪がどのように炎症を起こすかをあるいは抑制するのかを細胞レベルで説明を試みている。

-炎症性腸疾患における微量栄養素を含めた栄養管理 斉藤恵子 社保中
IBD患者に発生するビタミン・ミネラルにはどのようなものがあるか、とその対策。具体的には脂溶性ビタミン(A,D,E,K)、水溶性ビタミン(B12,葉酸)、ミネラル(鉄、亜鉛、セレン)、カルシウム、そして水分と電解質に注意すること。

-クローン病の成分栄養療法と累積再手術率 池内浩基 兵庫医大
栄養療法をやると手術する確率が減る。術後の栄養療法は術後5年で栄養療法実行グループは16%、非実行グループは38%と術後でも栄養療法は有効。

-クローン病の在宅栄養療法時の諸問題 福田能啓 兵庫医大
面白かったのは、クローン病の痔ろう発生に消化管内腔の刺激物質が関与していると想定し、フェノール、ヒスタミン、カフェインなどの物質を吸着する経口吸着炭素製剤を用いて難治性痔ろうを治療する治験を試みていること(AST-120治験グループ)。その結果、治療開始8週間で痔ろう分泌物が15%減少、肛門部の疼痛も10%減少した。

また『強力わかもと』についても投与、非投与にわけて8週間試験を行い、クローン病の病態改善に対して有用であると結論付けている。

なおこの雑誌はこちらから購入可能です。

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posted by くろーん40 at 23:34 | Comment(8) | TrackBack(0) | 病気関連ー書評・音楽
この記事へのコメント
 はい、今月の小遣いの残りの行き先が決定しました。
>『特集 炎症性腸疾患と栄養療法』に引かれて購入した

 私も同じです。惹かれる特集ですね。
Posted by クローンライダー at 2005年10月26日 23:42
>はい、今月の小遣いの残りの行き先が決定しました。
別に目新しいことはほとんどかかれていないので、購入するほどでもないかもしれません。もしこの手の論文を読みたいのなら、厚生労働省の 『難治性炎症性腸管障害に関する調査研究』に掲載されている一連の論文を読まれてみると面白いかもしれません。ちなみに無料でダウンロードできます。

論文のリンクは
『クローン病の原因と新しい治療方法』というカテゴリー
http://crohn.seesaa.net/category/70453.html
の中に1998年から2003年の分までのものの目次を記事にしていますので見てみてください。
Posted by くろーん40 at 2005年10月27日 09:32
いつも掲示板&プログを拝見させてもらっています。
私も福田ー安保理論に興味をもち免疫と食事について書物を読んでおります。
病状によっては、動物性(魚を除く)脂質の強い食事をさけていけば、繊維質の強い食物でも大丈夫そうかな・・・と感じております。
Posted by クローン患者の父 at 2005年10月27日 21:32
>私も福田ー安保理論に興味をもち免疫と食事について書物を読んでおります。
免疫と食事についてなら安保徹さんの書かれたものより、上野川修一さんが書かれた本
http://crohn.seesaa.net/article/2135848.html
http://crohn.seesaa.net/article/2028210.html
の方が具体的でためになります。お勧めです。
Posted by くろーん40 at 2005年10月27日 22:50
>1998年から2003年の分までのものの目次を記事
>にしていますので見てみてください。

 ありがとうございます。見ました。なるほどですね。
Posted by クローンライダー at 2005年10月27日 22:52
結構面白いと思いますよ。税金の一部が使われたものですので、活用しましょう。
Posted by くろーん40 at 2005年10月27日 23:01
初めまして、お邪魔いたします。
あっちこっち巡りに巡ってこちらへたどり着き、大変書き込むのも恐縮なのですが、書き込みしたいと思います。

実は今、新谷先生(医師)の本を2冊読んでいます。(『健康の結論』『病気にならない生き方』)
胃腸を中心とした内容なのですが、その本には健康は食事が大切だというお話も載っています。大変興味深い、そして私に衝撃を与えた内容が盛りだくさんでした。

ご存知かとは思うのですが、あまりにも衝撃を受けましたので、書き込みした次第です。
失礼だったとは思います。ご容赦ください。
Posted by 私のスミカ at 2005年10月28日 21:30
私のスミカさん、初めまして

>実は今、新谷先生(医師)の本を2冊読んでいます。(『健康の結論』『病気にならない生き方』)
結構クローン病患者の間でも流行っているらしいです。ご紹介どうも有難うございますm(__)m
Posted by くろーん40 at 2005年10月29日 23:44
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