アメリカのクローン病患者の声『the Voices of Crohn's』

2005年07月15日

クローン病患者は本場アメリカでも大変らしい。アメリカ版『クローン患者千人に聞きました』。


アメリカでは強力なIBD団体CCFAもあるし、バーバラブッシュも広報活動に協力しているし、色々先端的な治療も行われているので、患者のQOLもそれなりに高いのではないかと思っていた。

昨年(2004年)8月に『the Voices of Crohn's』と題して、CCFA、Digestive Disease National Coalitionの主催、レミケードを製造している製薬会社Centocorがスポンサーとなり、クローン病患者千人を対象に行われた調査結果を見ると本場アメリカでもCD患者は大変らしいことがわかる。ただ、この調査は世間一般に『クローン病患者はこんなに苦しんでますよ』ということをアピールする目的があるようなので、ちょっと大げさな気がするのは、私が他のCD患者の実態を知らないだけなのだろうか。
【】内はくろーん40のコメント。

その結果によると
・調査対象うち18歳から34歳のCD患者(以下CD患者)の60%が過去2年間に入院経験があり、半数以上が過去5年間に手術経験がある。

・多くの人がCDと確定診断されるまでに3年以上かかり、そのために複数の病院へ行かなければならなかった。
【これはどう考えても日本の方が良いのではないかと思う。また自分が一つ目の病院ですぐに確定診断された幸運も感じた】

そうである。もう少し詳しく見ると

日常生活
・93%が病気は精神的な健康に影響があったと答えた。
・半数以上が食事を自由に選べないことが最も制約を感じるとし、3分の1はスポーツや休暇、週末の旅行が自由に出来ないことが病気による制約だと答えている。
・半数以上が家族は病気のことをよく知っていると答えているが、残りは自分が言ったことしか家族は病気について知らないと答えている。

職場
・62%は会社は病気のことを十分に理解していないと感じている。
・7割の人は自分のやりたかった仕事を達成できていないと感じ、6割は仕事や他の活動を減らしたと答えている。また仕事をしたり、他の活動をすることが難しく、また病気によって制限されていると感じている。
・45%が年平均25.8日、病気によって仕事を休んでいる。
・37%が病気のために職につくことや昇格することを避けている。
・20%以上が会社に病気を隠している。
【まあ日本でもこんな感じかも知れない】



CCFAは会社、上司、同僚などのと相互理解を助け、職場を患者にとって快適なものにするために次のようなことを勧めている。

1.正直になること
ほとんどの上司は部下がベストな状態で仕事ができるようにしたいと思っている。職場のことはあなた(患者)が一番良く知っている。もし病気のことを話しても良いと思っているなら、話しかけて見るべきだ。あなたの上司はあなたの病気のことを喜んで知ろうとするだろう。

2.必要なことは依頼する
例えばトイレに近い場所に座るなど、ほんの些細なことがあなたの労働環境全般を大きく改善することがあります。そして会社の昼食会や行事があることに備えて、食べられない食事があることを伝えておきましょう。必要なことを伝えることを躊躇してはいけません。

3.休まなくてはいけない場合の対策を考える。
再燃して会社を休まなくてはないなら、休職や有給の規則について話し合いましょう。今回の調査の結果では、平均年に25.8日間休んでおり、もし在宅での仕事や長期の入院が必要な場合は、障害者福祉について理解しておくことが重要でしょう。

4.在宅での仕事
調子が悪いときに対応するには在宅で仕事が出来ることが望ましいだろう。もし在宅でも効率的に仕事が出来るなら上司とその可能性を検討してみることである。あるいは週に1、2度でもストレスを減らすことが出来るので再燃の可能性を減らすことが出来るかもしれない。

【なんか1~3は当たり前過ぎるし、4は難しいことが多そうだ。やはりマジックなどなく、地道に理解してもらうのが一番であると思う】



診断と治療
・平均的に言うと、確定診断を受けるまで2つ以上の医師を訪問し、そのうち30%は確定診断を受けるまでに5箇所以上病院を変わっている。
・ほぼ半数はクローン病と確定診断される前に他の病気と誤診された経験がある。
・4人のうち3人は治療方針を決める前に、医師と十分に相談し、全てのオプションを検討したいと思っている。
・確定診断までの平均期間は38.5ヶ月である。
・50%は確定診断をする医師の能力に不満を感じている。
・半数以上が将来の治療の選択肢に楽観的である。
【これだけ患者数が多く、広報活動をしていてもこの数字は何なんだと言う感じ。アメリカのホームドクターシステムの弊害なのかもしれない。】

広報の必要
・84%が一般の人々に広くCDを知ってもらう必要があると感じている。
・75%が会社と医師にもっとCDについて知ってもらう必要があると感じている。

症状
・入院日数は年平均38.3日で、69%が過去5年の間に入院経験あり。
・77%がストレスを感じ、73%が慢性の痛みを感じ、71%が慢性疲労を感じている。
・10人中7人が下痢の症状が最も悩ましいと答え、年平均225.8日下痢をしている。
・90%が下痢、85%が腹痛、84%が腸が急に動くこと(腹鳴?)の症状がある。
【9割の下痢はまだしも85%が腹痛持ちというのは緩解していないということなのだろうか?患者の状態の悪さを世間にアピールするための調査だからなのか、最も基本的と思える『何割のが緩解状態なのか』という情報がないことが残念だ。】

日本のクローン病患者も同じような感じなのだろうか。

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posted by くろーん40 at 12:49 | Comment(12) | TrackBack(0) | クローン病について
この記事へのコメント
なんか アメリカ人って クローン病でもステーキをバクバク食べているイメージがあります。
たしか基本的には栄養療法なんてしないんですよね。食べてはレミケするのかな?

>調査だからなのか、最も基本的と思える『何割のが緩解状態なのか』という情報がないことが残念だ。】
アメリカ人より日本人のほうが緩解状態の人の割合は高そうな気がします。日本人のほうが我慢強い?かな(笑
Posted by くろーん調理師 at 2005年07月15日 13:26
私の感想は、アメリカ人も同じだなと思いました。記事内容に違和感はありませんでしたw
Posted by ズルコビッチ at 2005年07月15日 14:53
>なんか アメリカ人って クローン病でもステーキをバクバク食べているイメージがあります。
ステーキ食べたいけど下痢するんで駄目って人も多いみたいです。でも基本的に高脂肪、高たんぱくって感じの食事、食材が多いと思うので、日本以上に食事のコントロールが大変なのかもしれません。でもCD患者が書いた食事の本がベストセラーになっており、食生活に対する意識は高まっているのかもしれません。
http://crohn.seesaa.net/article/2137584.html

>たしか基本的には栄養療法なんてしないんですよね。食べてはレミケするのかな?
レミケは緩解療法として、定期的に投与するのが標準化しつつあるようなので、その通りかも知れませんね。

>アメリカ人より日本人のほうが緩解状態の人の割合は高そうな気がします。
私もそんな気がします。やっぱり普段食べている日本食のせいなのかな。日本人でよかったw
Posted by くろーん40 at 2005年07月15日 14:54
ズルコビッチさん、

>私の感想は、アメリカ人も同じだなと思いました。記事内容に違和感はありませんでしたw
確かに共感できる部分も多いのかもしれません。

でも例えば、大阪クローン病トータルケア推進委員会が作った『クローン病 栄養・食事療法ガイドライン』
http://crohn.seesaa.net/article/4691514.html
の中に出てくるCD患者400人の食生活アンケート結果(P55)を見ると
『体調がよい』という人が8割で、下痢は6割です。
やっぱり日本のCD患者のほうが全般的に状態がよいんじゃないかな。
Posted by くろーん40 at 2005年07月15日 15:09
確かにアメリカの方にエレンを飲めとか、絶食しろとかは無理っぽいですよね。
>>たしか基本的には栄養療法なんてしないんですよね。食べてはレミケするのかな?レミケは緩解療法として、定期的に投与するのが標準化しつつあるようなので、その通りかも知れませんね。
これってすごく私の中ではアメリカ。
Posted by tele_b at 2005年07月15日 17:03
私の主治医の先生も言ってました。アメリカでは栄養療法とかはやってなく、悪くなればステロイド剤や副作用の強い薬をバンバン使い、それでも治らなければ小腸移植するんだ…と。
日本人にはコツコツやる栄養療法が向いてる、とも。
やっぱり国民性みたいなものでしょうか?(^^)
私は栄養療法で良いです(笑)
Posted by Reny at 2005年07月15日 21:31
確定診断まで3年以上というのはずいぶんと長いですね。
でも、新しい治療は治験も含めてアメリカで始まることが多いはずなのに肝心の診断はどうして遅いんでしょう。記事にあるようにホームドクターシステムの弊害ということになるんでしょうかねぇ。
それとは関係ないですが、日本の皆保険や公費負担のシステムについては助かっています。
Posted by よね at 2005年07月15日 23:06
tele_bさん、
>定期的に投与するのが標準化しつつあるようなので、その通りかも知れませんね。
>これってすごく私の中ではアメリカ。
その通りのようです。日本では難治性のCDに対してのみ投与されますが、アメリカでは最近は最初からレミケで治療したら良いという医師もおり、実際最初からレミケで治療されている患者もいるようです。

Renyさん、
>悪くなればステロイド剤や副作用の強い薬をバンバン使い、
それは誤解かも知れません。今はステロイドを使うことに慎重な医師の方が多いし、日本のように長期に渡ってステロイドを投与しているケースは少ないと思います。

>それでも治らなければ小腸移植するんだ…と。
これは間違いでは?

>記事にあるようにホームドクターシステムの弊害ということになるんでしょうかねぇ。
すみません、その部分は私のコメントです。

>日本の皆保険や公費負担のシステムについては助かっています。
そうですね。アメリカで栄養療法が普及しない理由にはよくQOLの概念がちがうということが挙げられますが、私はそれよりも保険制度が栄養療法を許さないのだと思ってます。

アメリカの保険は民間保険であるため、保険会社が保険負担する治療については、同じ効果ならより安いもの、またEBMに基づいたものであることを求めます。栄養療法は信用できる治験データがないため、EBMではじかれますし、治療費も高いため、一部の小児向けを除き、自費でしか認められないようです。この環境では採用されないはずですよ。

それ比べて日本は恵まれているなと私も思います。
Posted by くろーん40 at 2005年07月16日 12:49
アメリカで栄養療法が使われないのは、保健の関係で、使えないと聞きました。
日本は和食もあるので、恵まれているかも知れません。
Posted by Papa at 2005年07月18日 22:22
Papaさん、初めまして(?)

>アメリカで栄養療法が使われないのは、保健の関係で、使えないと聞きました。
私も保険は色々挙げられる理由のうち最も直接的な理由だと思います。アメリカでは健康保険は民間の会社が経営しており、低廉で効率的な治療を医師・患者に求めてきます。つまりA・Bという治療法があって、同じ効果なら費用の安いAの分しか、保険が下りないということです。またEBMに基づいた治療に対してしか保険は下りません。つまり栄養療法のように費用としても他の薬物療法高く、しかもちゃんとした治験も行われていない治療法に対しては保険が下りないわけです。したがって現状では栄養療法がアメリカで普及しないのだと思います。
Posted by くろーん40 at 2005年07月19日 09:05
アメリカでもそんな感じなのですか・・向こうでも理解してもらいにくい病気なのですね。自分たちだけではないと再認識しました。
Posted by yuki at 2017年05月12日 20:43
私は中学2年頃から異変を感じて現在22です。事務系で働くつもりでしたが体調を壊して現在休養中です。
Posted by yuki at 2017年05月12日 20:45
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