日本で治験中の薬・その1『CIMZIA(CDP870)』

2006年10月13日

日本でもレミケードに続く2番目の抗TNF薬となりそう。


CIMZIA( certolizumab pegol, CDP870)はアメリカFDAへクローン治療薬としての申請を今年の3月にすでに終えており、承認を待っている状態である。

米国国立衛生研究所 (NIH) が下部組織を通じて運営する治験情報サイトclinical trial.gov』によると、日本では活動期のクローン病患者に対する治験が今年の3月から二重盲検方式の第二相治験が始まっており、現在も17の都道府県(病院?)で募集中、あるいは募集が開始される見込みである。予想参加人数は100人である。

サイトには具体的な病院名は明記されていないものの、例えば千葉県なら佐倉と柏など、市や区まで書かれているので、『あっ、あの病院か』とすぐに分るだろうw

治験の対象となるのは、16歳から65歳までのクローン病患者で
・CDAIが220から450の間であること
・CRPが1以上であること
・ストマでないこと
・TNFα製剤にたいして強度の拒否反応やアナフィラキシー反応がないこと
・以前にCDP870の治験に参加したことがないこと
・妊婦や妊娠している可能性がないこと
である。

CDP870はマウス抗体が25%含まれるレミケード(成分名:インフリキシマブ)と異なり、100%ヒト型抗体であるため、レミケード投与時に起こるようなアレルギー反応やマウス抗体に対する抗体ができ効果が失われるようなことが少なく、副作用が少ないと想像できる。

CDP870はヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体のFab‘フラグメントをPEG化したものであり、可溶性および膜結合型TNF-αの双方に強い親和性を示すそうである。そのことの意味、重要性は良く分からないが、PEG化したことにより、長い間血中に留まらせておく事が可能になったため、月1回の投与ですむようになったのではないかと他の例から推測する。

また皮下注射による投与が可能であるため、短時間での投与が可能で、投与頻度も月1回である。

レミケードの投与の結果、マウス抗体に対する抗体が出来てしまい、レミケードが効かなくなった人などに適している可能性があり、UCBではレミケードが効かなくなった人に対するCDP870の効果を見る治験をギリシャで実施予定である。レミケードが効かなくなり、緩解維持が難しくなっている人は魅力的な薬であると思われる。

このページではCDP870の投与期間は明記されていないが、恐らくこの治験の参加経験者が参加するフォローアップの治験についてかかれたこちらのページでは26週と書かれている。

この治験の経験者は効果があって無くとも、継続してCDP870の投与を続けられる治験が準備されている。

またちなみにアメリカFDAにクローン治療薬として申請を終えた生物精製剤は他に今年の9月に申請を終えたHUMIRA(成分名:adalimumab,D2E7)があるが、こちらは日本での治験は行われていない。そのためCDP870が日本でレミケードに続く2番目の抗TNF薬となりそうである。

(以下2006年11月6日追記)

プレスリリース 2006年11月2日
UCB、CIMZIATM(シムジア)新有効性データ、インフリキシマブ既治療のクローン病患者に対しても効果と緩解を維持することを示す

UCB、CIMZIATM(シムジア)新たな解析結果、発病早期のクローン病においても緩解と効果を維持することを示す

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posted by くろーん40 at 11:15 | Comment(7) | TrackBack(0) | クローン病の原因と新しい治療法
この記事へのコメント
同じ薬でいろいろと呼び名がありややこしいです。
CDP870は継続投与しても効き目は持続するのでしょうか。
そこらへんもこの治験で明らかになるんですかね。糖尿病のインシュリンのような感じでしょうか。
新薬で早く普通の生活ができますように!
Posted by pants at 2006年10月13日 11:53
新薬がどんどん出てきてるんですね。
嬉しくもあり、怖くもあり、でも希望です。

クローン病が完治する薬が出来ますように。
Posted by IZUMI at 2006年10月13日 13:18
pantsさん、

>同じ薬でいろいろと呼び名がありややこしいです。
確かにそうですね。大体製品名と成分名があるようです。

>CDP870は継続投与しても効き目は持続するのでしょうか。

レミケードほどではないようですが、一部に抗体が出来るケースがあると効いています。

IZUMIさん、

>嬉しくもあり、怖くもあり、でも希望です。
そうですね。レミケやこの薬は免疫をいじっているわけですから不安ですよね。

>クローン病が完治する薬が出来ますように。
そうなると良いですね。
Posted by くろーん40 at 2006年10月13日 14:40
CDAIって何の値ですか?
この薬は主に何に効き目があるんですか?炎症ですか?ロウコウですか?
副作用も少なそうで、物凄く興味深々です!

それにしても、くろーん40さんの情報の速さや博学にはホントにビックリさせられます!これからも、心躍る情報期待してます!
Posted by たらこ at 2006年11月06日 00:30
たらこさん、

CDAIというのは、Crohn's Disease Activity Indexの略で、クローン病の活動状況、つまりクローン病がどれほど活発な状況なのかを数値で表したもので、治験などの評価に使われます。
このページの中ほどに計算方法がでています。
http://www.jimro.co.jp/ibd/03gakujutsu/7.htm

この薬はレミケードと同じ抗TNF-α薬なので、レミケードと同じように、クローン病の症状全般を減らします。具体的には炎症やろうこうに効果があると思われます。

レミケードと同じ作用機序を持つ薬ですから、必ずしも副作用が少ないとはいえないと思いますけど。
Posted by くろーん40 at 2006年11月06日 09:51
詳しい回答、有難うございます。自分なりに計算しましたが、今回も対象外のようです。これも、レミ同様、狭窄の人は駄目なら、尚アウトですね。
次回の薬が、狭窄の人もOKよ!と言う物が発見される事に期待します。
Posted by たらこ at 2006年11月06日 17:36
たらこさん、

以前は狭窄があるとレミケは完全に不適応と判断されたようですが、現在は多少狭窄があっても、問題ないという意見が増えているようですよ。
http://cduc.blog56.fc2.com/blog-entry-88.html

実際くろーん調理師さんのように狭窄があっても上手く行っているケースも多いようです。
http://crohn-cyourisi.mo-blog.jp/crohn/2006/11/post_2d95.html
Posted by くろーん40 at 2006年11月07日 17:23
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