最近『クローン病』と診断されたあなたへ

2005年02月09日

新たに『クローン病』と診断される人は日本で毎年千数百人いる。単純計算で一日あたり新たに3.6人の『クローン病患者』が誕生していることになる。患者数が全国でも2万2千人、1万人に1.75人しかいない『クローン病』について、自分が診断される前から良く知っていた人は皆無に近いだろう。そんな新たにクローン病患者となったあなたへの私からの手紙である。

最近『クローン病』と診断されたあなたへ

私が『クローン病かもしれませんね』と今の主治医に言われたのは2003年11月のことでした。近くの病院に行って検査をしたところ、即入院となり、最初から今の主治医はクローン病の疑いがあることを話してくれました。

『クローン病』という病名を初めて聞き、クローン病についての小冊子を2冊(慶応病院の「クローン病の正しい知識と理解」と「Q&A」)貰った私は貪るように読みました。分かったのはこの病気が

・原因不明の難病で現在の医学では完治ということはありえないこと
・治療がうまく行けば、ある程度の制約はあるが、これまでに近い生活が出来る可能性が高いということ
・がんのような生死に直接かかわるような病気ではないこと

です。ただ、まだ『クローン病』と決まったわけではなかったので『まさか自分が』というのが正直な感想でした。

その後、小腸造影で縦走潰瘍が見つかり、『クローン病』と確定診断されました。

1.確定診断されたら特疾申請を!

あなたは『クローン病』と確定診断されましたか?もし確定診断されたなら、大至急しなければいけないことがあります。特定疾患医療受給者票の申請です。

特定疾患医療受給者票(“特疾票”)があると『クローン病』関連の医療費を国が殆ど負担してくれます。この負担開始時期が保健所が特疾票申し込みを受け付けた日付なので、『クローン病』と『確定』診断されたら、出来るだけ早く申請しないと申し込みが遅れ、自己負担額が増えてしまいます。特に今入院している方も多いと思いますので、急いで手続きをして下さい。こういう社会保障制度については医者は知らないことも多いので自分が気をつけなければなりません。病院にソーシャルワーカーが居れば、ソーシャルワーカーに聞くのが一番かもしれません。特疾制度についてはここに詳しく書きましたので、後でお読み下さい。

もし申請が遅れてしまったとしても高額医療費支給という制度があります。これは読んで字の如く高額な医療費を支払った時に支給されるものです。 1月に支払った医療費が一定の自己負担額を超えた場合に、申請すれば戻ってくる制度です。会社員なら健康保険組合で申請しなくても勝手に計算して払い戻しをしてくれます。もっとも帰ってくるのは数ヵ月後です。また特疾の方が自己負担額が一桁少なくて済むので、特疾を早く申請するに越したことはありません。

特疾の他にも難病見舞金など自治体特有の難病患者向け福祉制度や身体障害者手帳の取得により受けられる各種福祉制度、障害者年金などの社会福祉制度がありますので、是非知って置いてください。

2.病気について

次は病気についてです。自分の病気がどんな病気なのか、患者としては知りたいと思います。勿論主治医が納得の行くまで説明してくれると思いますが、後になってから出てくる疑問も多いものです。また私のように自分以外にクローン病の入院患者がいないような病院だと自分の受けている治療で本当に大丈夫なのかという疑問も頭をもたげてきます。また自分だけでなく、食事制限などもあるので家族にもある程度分かってもらうことが大切です。

=『クローンビルディング』=
まずは こちらのHPをご覧下さい。『クローンビルディング』というクローン病患者やその家族向けに田辺製薬が作ったページです。ここで標準的な治療を含め、一通りのことを知ることが出来ます。

=『クローン病ってこんな病気』=
もっと詳しく書いてある本が読みたいという人もいるでしょう。そういう方には『クローン病ってこんな病気』(編集 福田能啓 兵庫医科大学第四内科助教授 2005年12月刊 診断と治療社発行 定価2,625円)という本がお勧めです。書店にはまず置いてないと思うので、
アマゾンなどで手に入れて下さい。

=『IBD情報』『炎症性腸疾患の耳袋』=
より詳しく知りたい場合には、日本抗体研究所の『IBD情報』『炎症性腸疾患の耳袋』がお勧めです。両方とも『クローン病』で検索してもなかなかヒットしないページですが、非常に有用です。『IBD情報』の『クローン病Q&A』には患者が思い浮かぶ100以上の質問に対し、的確な答えが用意されています。ここまで読めばあなたはかなりのクローン病通です。さらに『炎症性腸疾患の耳袋』を読んでみて下さい。『大耳』『中耳』までは必読だと思います。より詳しい患者から見た情報を得れます。

またIBD専門医のトラ先生がドクターTORAの今日も快腸ブログというブログを書かれています。基本的な情報から最新情報また個別の相談にも応じてらっしゃいます。必読だと思います。

=CCJapan=
社員全員が炎症性腸疾患者(“IBD患者”)という三雲社が出しているIBD患者向け情報誌がCCJapanです。最新治療の情報や食生活についてのアンケートなど参考になることが多い雑誌です。

ちなみにこの病気を持った有名人としてはこんな方々がいます。

3.病院と主治医について

クローン病と診断されたばかりのあなたは、クローン病と診断してくれた主治医に感謝こそすれ、主治医の治療を疑うという気持ちなど露ほどもないことでしょう。

しかし、この病気は病院と主治医選びがとても大切です。是非、この記事を読んで、適切な治療を受けられているか、もう一度振り返ってみてください。

4.情報交換

病気について色々知った後でも、いや知ったからこそ尚更不安なのが、難病患者であり、その家族だと思います。この病気はひとりひとりの症状がかなり異なることもあり、患者や家族は色々な不安に教われます。「会社や学校へは何と説明しようか」「ちゃんと就職できるのだろうか」など不安は尽きません。これは人生相談のようなもので全ての人に当てはまる決まった答えはないと思います。そんな時に誰が相談相手になってくれるのか、また悩みを聞いてくれるのでしょうか。そんな患者間の情報交換組織、あるいは助け合い組織としてあるのが、患者会だと思います。

=患者会=
患者会には全国的な組織であるJapan IBDとさまざまな地域の患者会があります。同病患者が多い病院なら病院を拠点に患者会があると思いますので、病院のソーシャルワーカーか地域の保健所に聞かれると分かると思います。

またこの他にCCFJ(日本炎症性腸疾患協会)というIBDの専門医や患者が中心になって患者の声を代表しようとするNGOがあります。患者の声を色々なところへ伝えようとしてくれる団体です。年会費1000円以上ですので、是非会員に申し込んでください。

=インターネットでの情報交換=
そしてインターネットの掲示板でも情報交換が行われています。『他の患者さんはどうだったんだろう』『こんな時どうしたらよいのだろう』『今の医者でよいのだろうか』など色々疑問が涌いてくると思います。ネットで交換されている情報はどこの誰が発信しているのか不明な場合が多いので注意が必要ですが、そうは言ってもそんな時にすぐに答えをもらえるようなインターネットは便利ですね。でも掲示板などを使うと不特定多数の人に見られていることになります。

私は全ての人に公開している掲示板の他に、非公開の掲示板を二つ運営しています。私はこれらはネット上にある患者会だと思って運営しています。ひとつは患者のみが参加することが出来る『CD患者の内緒話』、そして患者だけでなく、家族や恋人、医療関係者などまわりに患者がいるという人々のための『CD家族会』です。詳しくはそれぞれの記事に譲りますが、是非参加を御検討下さい。

またくろーん40のアンテナくろーん40のアンテナでは私が何時も見ている情報を網羅しています。

=HPやブログを作成=
私も含め情報発信やストレス発散にHPやブログを持っている方も多いです。お勧めです。

5.社会保障制度

クローン病は難病ですので、最初に書いた特疾票以外にも患者のためにさまざまな社会保障制度があります。身体障害者手帳を取得すれば、所得税を始めとする税控除や映画などの料金減免が受けられ、障害者年金を受けられる場合もあります。これらの制度は市町村により異なる場合もあるので、市町村役所の福祉課、ソーシャルワーカーなどに相談することをお勧めします。


だいたいこんなところです。この病気は完治する治療法が見つからない現在では一生付き合って行く病気です。恐らく今は体調も悪く、落ち込んでいると思います。私もそうでしたから。でも完治は無理でも、8,9割の人は普通に近い生活を送れるような緩解状態になれるそうです。今は『前向きに』なんて言われてもとてもそんな気持ちではないと思いますが、良くなるはずですので、早くこの病気を持った自分に慣れて下さい。くよくよしているだけでは病気は治りません。生死に関係ないのですから、この病気と付き合いながら人生を楽しむことを一緒に考えようではありませんか。

それではまた

By くろーん40

(2007年3月9日一部アップデート)

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posted by くろーん40 at 17:11 | Comment(10) | TrackBack(1) | クローン病について
この記事へのコメント
はじめまして。(ここでは^^;

クローン40さんのアンテナ、大変有用に利用させてもたっております。m(__)m

クローン病になってしまったら患者会ってとっても重要ですよね。
生活スタイルを変えてやって行かなきゃならないのに、どうしたらいいかがわからない。

しかも、20前後のこれからってときに発病したりすると、”死なない病気と言われたって、んじゃどうやって生きていくの?”みたいな(汗

患者会に参加しても、どよ〜んとしている人か、長年やってきて開き直ってる人かのどちらかなんですよね。

で、病人の年齢比からいったら、もっと若い人が多いはずなのに患者会の参加比率は少ない気がするんですよね。
一番参加してほしい部類の人たちが、やっぱり閉じこもってしまう現状がある気がします。
自分もそうでしたし・・・・。

地元の患者会に入会してまだ5日目なんですがね。^^;
Posted by Qua at 2005年02月11日 10:42
Quaさん、こんにちは

>クローン40さんのアンテナ、大変有用に利用させてもたっております。m(__)m
有難うございます。

>20前後のこれからってときに発病したりすると、”死なない病気と言われたって、んじゃどうやって生きていくの?”みたいな(汗
掲示板を見ているとそういう『悩める若者』って多いですね。そういう人には是非患者会に参加して欲しいです。『何で自分だけが』と思っている人にはやっぱり『自分だけじゃないんだ』と思わせてくれる仲間が必要だと思います。昨年行ったJapan IBD主催の講演会では、裏方として頑張っているJapan IBDの若者達はとても生き生きとして輝いていました。そういう人たちを見ていると『自分も』と思うと思いますよ。

私みたいに年をとった家族持ちだと逆に患者会に参加するより、自分が時間があるときに参加できるインターネットの方が、気楽です。勝手なことを言って、気を使わなくても良いので(^_^ゞ
Posted by くろーん40 at 2005年02月11日 11:37
僕は患者会に参加したことは無いですね〜
参加しようと思ってある人の紹介で
ソフトボールとかテニスとか
交流会に何度か参加したのですが
ハッキリ言うと・・・

なじめない・・・

会自体が常連の集まりのようになっていて
なかなか入っていけない雰囲気があった・・・
僕の性格のせいもあるとは思いますが
大きい患者会になると色んな人がいますし
中には気の合う人もいるとは思いますが
僕はネットでほんとに気の合う人と
コミュニケーションをとればいいと思ってます
入院中に知り合ったりとか・・・

情報はネットでいくらでも調べられるし
無理にそういう会に参加しなくても
いいのではないか?と言うのが
僕、個人的な意見です。

決して患者かを否定してるのではないので
誤解されないようにお願いします。
僕には合わなかったというだけです。
Posted by T≒KA at 2005年02月12日 16:26
T≒KAさん、こんばんは

T≒KAさんも患者会に入っていないのですね。患者会に入っている人の割合ってどれくらいなんでしょうね。

患者会という形式に馴染める馴染めないという部分とそれぞれの患者会で又それぞれ個性がありますからね。他の全ての組織と同様に、全ての人にあった患者会というのも存在しないと思います。

入院中に気の合う同病者と知り合えるというのは自然な形で理想かもしれません。

T≒KAさんのように自分の病気と折り合いが付いていて、自分から積極的に情報交換や交流ができる人には患者会は特に不要なのかも。ただ患者会という仕組みによって生き生きとした自分に戻れる人も沢山居ると思います。
Posted by くろーん40 at 2005年02月12日 21:38
常連の集まりのような雰囲気はたしかにありました。

行政主導の相談会みたいなのは何度か参加していて、今回も同じような物だと思っていたのですね。
そしたら、患者会主導で栄養士やどこかの先生の講演などもなく、交流会のみで、いつもより情報交換といった面では病院や医療制度の不満なども言えたりと、スムーズに楽しくできたのですよ。

でも、病歴の長い患者会の中心メンバーの発言がほとんどで、なったばかりで不安や疑問のある人は、聞くばかりで、それも素人の雑談形式の話なので理解も出来ず・・・って雰囲気はあったのですよね。

その辺のフォローはもっと必要かと思いました。
今回、最初だったのでどういう活動してるのかなど、交流といういみで雑談でもよかったかと思うのですが、次回またやるなら勉強会みたいな形もいいかなと。

とはいっても、患者が運営しているわけですからなかなか難しいですね。
Posted by Qua at 2005年02月13日 11:12
Quaさんの地域は結構沢山のIBD患者がいるようですね。

交流会を盛り上げようと思ったら常連の集まりのような雰囲気になってしまうのは仕方が無いのかもしれません。そうなるとなかなか溶け込めなかったり。T≒KAさんのように入院時に知り合いになるというのは理想ですね。そうなるとやっぱりIBDの患者が多い病院っていいなと思います。
Posted by くろーん40 at 2005年02月13日 23:14
患者会も地域によって幅が広く
集まるに集まれないということもあると思います
ネット患者会みたいなものを設立して
普段はネットで掲示板やBlogで情報交換したり
チャットなどを使って会話をしたり
1年に1回でもオフ会を開くなどして会うとか・・・
それなら普段コミュニケーションはとれてますから
実際に会っても楽しめるというか・・・
話しやすい環境になってるのではないかと
思った時期もありましたが。。。
一人ではなかなか実現には難しく
断念したことがあります・・・・。

_| ̄|○ ガクーリ
Posted by T≒KA at 2005年02月14日 11:56
まあこうやって掲示板やブログで書き込みをしているのが、患者会の代わりみたいなものですからね。チャットは時々やっているのを見ますね。私は参加したことがないのですが。掲示板のように残さないこともできるので、結構言いたいことを思いっきりいうのには良いのかも(笑)。

オフ会も以前は随分やっていたみたいです。昔からの患者さんのHPなんかみると昔のオフ会のこととか書いてあったりしました。

今のT≒KAさんの元気なら実現可能でしょう!
Posted by くろーん40 at 2005年02月14日 12:44
初めまして、先日は私のmixiに足を運んで頂きありがとうございました。
悲しいかな、免疫の研究をしている私、某K大の職員だったりする私が、
自分の属する病院と知り合いの先生方に診療/治療されるのは、
なんとも言葉では言いがたい複雑な気持ちで一杯です。

これからもいろいろとよろしくお願い致します。
Posted by takaD at 2006年02月05日 10:47
takaDさん、こんにちは

>自分の属する病院と知り合いの先生方に診療/
>治療されるのは、なんとも言葉では言いがたい複雑な気持ちで一杯です。
逆に良く知っている方だから安心というのはあるかも知れませんよ。それに良く知っているからこそ一般の方よりこの病気になった時のショックも小さいでしょうし。

これを天命と思って私たち、そしてご自身のためにもCDにかかわる研究にこれからも取り組んでくださるようお願いします。

とは言ってもまずはご自身の身体を労わり、早く緩解導入できると良いですね。
Posted by くろーん40 at 2006年02月06日 10:06
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クローン病と診断されたら
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Weblog: -◆- いちにち 一膳 -◆-
Tracked: 2005-12-19 00:16
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