Asacol-大腸病変に効果が高いメサラミン製剤

2006年01月31日

大腸に軽・中症程度の病変のある場合の5-ASA経口薬として、ペンタサスルファサラジンに加え、新たな選択肢になる。メサラミン(日本の薬価基準名はメサラジン)とはスルファサラジン、ペンタサ、Asacolに共通する薬効成分のこと。


アメリカでは1993年に発売されたPentasaに先立ち、1992年に発売され、現在もUCの緩解維持薬として使われている(ちなみに日本でUCの緩解維持に一般的なペンタサはアメリカではUCの緩解維持薬として認められていないようだ)。

日本では発売元であるゼリア新薬が日本における独占販売のプレスリリースを出したのが、2004年2月4日なので旧聞に属するのかもしれない。

ゼリア新薬はAsacol(アサコール)をUCとクローン病の両疾患についての新薬として、第三相の治験を実施中である。

Asacolの有効成分はペンタサと全く同じメサラミンだが、コーティングが異なるために、有効成分が溶け出すのが遅く、ペンタサが小腸、大腸、全ての部位に有効成分が放出されるのに対し、Asacolは大腸に入ってから有効成分が放出されるため、大腸型に効くように設計されている。

コーティングの違いはペンタサが有効成分であるメサラミンをエチルセルロースの微小顆粒被包でコーティングしているのに対し、AsacolはEudragit-SというPHが7以下にならないと解けないアクリルポリマーを使っているため,PHが7以上ある小腸部分ではコーティングが解けず、PHが7を切る大腸に入ってからコーティングが溶け始める。

副作用の発生率は3%程度で主な副作用は、頭痛、腹痛、げっぷである。

現在大腸型で緩解維持のためにペンタサを飲んでいる人、あるいはペンタサの効きが悪い軽・中症患者には朗報かもしれない。ただ中・重症の患者やペンタサ注腸が効いている人には関係がないと思われる。

Asacolは上記のようにアメリカではペンタサより発売が早く、UCでは一般的な薬として使われており、しかもその他47カ国で使われているにもかかわらず、日本での導入がここまで遅れたのは何故なのだろうか。不思議に思える。

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posted by くろーん40 at 12:46 | Comment(8) | TrackBack(1) | クローン病の原因と新しい治療法
この記事へのコメント
日本の新薬導入の遅さはなんなんでしょう?
いつものことながら、不明なことがいっぱいありますね
それでもこういった、明るい?話題はとても助かります。
Posted by Dog at 2006年01月31日 18:09
副作用が「腹痛」って、ちょっと困惑です。
でも、選択肢が増えるのは、患者にとって、嬉しいことに思えます。
大腸に届くよう設定するキーが、ペーハーとは、驚きです!お勉強になりました〜。
Posted by oyukkie at 2006年01月31日 20:53
 すでに、ペンタアミノサリチル酸(5-ASA)製剤が承認されているのでとってもおかしい状態なんでしょうが、安全性の確認されている抗ガン剤に至っても厚生労働省は承認を渋ります。

 これは、アメリカと日本の保険制度の差が一番大きいのではないでしょうか。アメリカの場合、薬を承認しても自費で買ってくれますが、日本の場合は難病治療用として承認した薬のほとんどが国や地方公共団体の負担となります。

 深刻化する少子高齢化時代に医療費を高騰させる可能性があるものは出来るだけ承認したくない。まして、緩解維持という永続的に必要なものは薬品会社の在庫がなくなってから、なんて考えているんじゃないですか。

 非加熱血液製剤で犯した過ちの反省がなされていないから薬品会社とくっついているのでは?と勘ぐってしまいます。あながち間違っていないのでは?
Posted by クローンライダー at 2006年01月31日 22:53
初コメントさせてもらいます。
最近ブログを始めましたが、それ以前にここのブログを読ませてもらってました。
とても参考になります。Asacalいつか使用できて、自分の病気に効いたらいいですね。
Posted by azami at 2006年01月31日 23:25
oyukkieさんのおっしゃるとおり、選択肢が増えることはうれしいことですね。

患者それぞれが、医師と相談して様々な選択肢の中から、自分に合っていると思われる治療法を納得して行えるようになれれば、うれしいですね。
Posted by たけし at 2006年02月01日 00:01
Dogさん、

>日本の新薬導入の遅さはなんなんでしょう?
日本の場合、新薬の承認申請から認可まで二〜三年かかっているそうです。それに対して欧米では四〜六カ月。

実際厚生労働省は承認期間の短縮に取り組んでいますが、その弊害もあり、人員の手当て等も含め抜本的な改革が必要なようです。
http://www.d9.dion.ne.jp/~sigma72/Mezashite2003/Teraoka1.html

oyukkieさん、
>副作用が「腹痛」って、ちょっと困惑です。
副作用が腹痛というのは良くあると思います。これは偽薬でも同様なのですが、胃腸が自律神経と密接にかかわっている臓器だからではないでしょうか。また副作用の発生率が低いのでそれほど心配する必要はないと思います。

クローンライダーさん、
なるほど、です。保険制度の違いは大きいですよね。特に今は医療費の削減というのがテーマとなっていますから。

あと製薬会社との癒着もそうですよね。日本の製薬会社は儲け過ぎとよく言われているようなので。

azamiさん、

初めまして。御愛読、ありがとうございますm(_ _)m

>Asacalいつか使用できて、自分の病気に効いたらいいですね。
私は小腸型なのですが、大腸にも病変がある可能性があるのではないかと思っています。その場合、おそらく軽症なのではないかとも。その場合、Asacolという選択肢もあるといいなと思っています。

たけしさん、
その通りですね。特に大腸型だと、スルファサラジンやステロイドは副作用が心配だし、ペンタサ経口では効かないという人も多いと思うので、Asacolは良い選択肢になると思うんですけどね。
Posted by くろーん40 at 2006年02月01日 10:01
はじめましてOZZYです。小生現在アメリカに駐在してまして、赴任から1年半たちました。日本からペンタサを持ってきてましたが、最近調子が悪く、こちらの病院に行ったところ、医者からASACOLをもらいました。確かに部位、人にもよると思いますが、私の場合、効き目が顕著ですぐに体調がよくなりました。試す価値はあるかと。。もともとペンタサが効かない気がしていたので効き目には感動しました。もらった薬がなくなり、効用を確認してみようと、ネットで検索していた状態です。詳しく書いてあり助かります。早速またもらいに行きます。(もらった薬はサンプルと書いてあり、なんかあやしかったので不安でした。)
Posted by OZZY at 2006年06月06日 13:23
OZZYさん、初めまして

少しはお役に立てたようで嬉しいです。

>最近調子が悪く、こちらの病院に行ったところ
ということは、1年半病院に行かずとも好調だったということなのでしょうね。これをきっかけにまた好調を続けられるとよいですね。
Posted by くろーん40 at 2006年06月06日 16:22
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